ECOだより





深海調査の歴史は浅く、まだまだ未踏の領域:高圧環境の深海環境が生命ホスピタルに

海中の微量元素が酵素を元気に

地球の70%を占める海、海水には塩分(NaCl)を代表に地球上に存在する多くの元素が微量に含まれています。人間の身体も70%が水分でその3割が血液や組織液で構成されており、その生命機能を円滑に稼動させてくれるのが体内酵素の連鎖反応です。また酵素反応を促進してくれる要素がミネラル(※)を含む微量元素です。


高圧の深海域はホスピタル環境

産業利用される海水は化学物質や生活排水の汚染を含んだ表層水を利用しているのが現実ですが、海底1000メートル以下の深海域は水圧の影響によって地上の病源となるウィルスや腐敗菌類が死滅し、生物酵素だけが有効に働く神秘の世界です。暗闇、低温、高圧の海底にも生物が存在し、マッコウクジラやシャチ、キタゾウアザラシは捕食も含めた生命活動の中で深海へ潜行して一定期間過ごす事が確認されていますが、これは一種の治療行為として受け止めることができるのです。


潜水の達人たち
むやみな薬品投与はまるでイタチごっこ
人類はこれまでウイルスや細菌との戦いを重ねており、解決手段としてそのつど化学薬品や抗生物質の開発、使用によって魔薬を施すが如く乗り越えてきておりますが、結果として新たな、耐性菌や耐性ウィルスを誕生させイタチごっこを繰り返してきています。この悪?循環とも言える行為を繰り返しているといずれ人間の免疫力や治癒能力を超えた病害ウィルスを生み出してしまう日が来ないとも限りません。将来的には自然の力や自然の摂理を応用した形で病害菌やウィルスに対抗できるようになることが望まれます。
自然は大きなホスピタルと言うフレーズがありますが、深海域の抗ウィルス、殺菌作用を考察すればまさに水圧の治療院といえる環境です。

宇宙の全ては規則的に存在している
話が深海から宇宙へと飛躍しますが、古代、中世まで絶対視されていた天動説を西暦1543年コペルニクスによる地動説が正しい法則であることが実証されてから約470年という歴史を経て、今や宇宙に人が滞在できる時代となっています。

太陽、地球、月が起す干潮、満潮は、人間の身体にも影響

地球の自転時間(1回転約24時間)、公転時間(太陽のまわりを楕円軌道を軸として365日かけて公転)、自転と公転をおこなう月(衛星)とは互いに一直線上に結んだ共通重心上で規則的に回転しています。
太陽や月との位置関係に、地球の自転、公転作用が起因する遠心力と引力の変化により海に起潮力を起します。満潮、干潮、月の満ち欠けは昔から地球生物の産卵や出生に深い関わりがあり、起潮によって生じる満潮時(特に新月と満月の大潮)には出産が増え、安産も多いといわれます。女性の生理周期や健康な皮膚のターンオーバーは月の満ち欠けと同じ28日周期です。
また、今年日本では皆既日食が観測されましたが次の機会は26年後と正確に計算されます。
このように地球、太陽系、銀河系、宇宙そのものに正確な規則性があり、則して地球上の生命体も体内時計や光周性のような規則性と生体リズムを備えて存在しています。
■ターンオーバー(新陳代謝)は肌だけではなく、湖や沼で秋から冬にかけて気温が下がり始めると、表層の水が下の水より冷たくなって入れ代わり続ける現象にも言葉として使用されます。


※ミネラル= 無機物のこと。酸素、炭素、水素、窒素以外の総称で、例えばナトリウム、塩素、カルシウムなど。